第6号 2007(平成19)年11月 取手市立図書館情報紙 ライブラリーぷらす
ライブラリーぷらす
編集発行:取手市立図書館   奇数月発行
〒302-0004 茨城県取手市取手1-12-16
電話(0297)74-8361
取手市立図書館情報紙2007年11月 http://www.toride-toshokan.jp

図書館あ・ら・か・る・と

日本には約3000館の市町村立図書館があります。その図書館が貸し出す本などは、年間6億点を超えています。図書館を使ったこともないという人を含めて、1年間で国民一人当たり5冊近い本を借りていることになります。
 私たちの街、取手市の図書館も多くの市民の皆さんに活発に利用されています。多くの皆さんが図書館は本を借りられるところ、読書を楽しめるところと理解されているとお思いでしょうが、図書館の機能はこれだけではありません。
 私の勤務するふじしろ図書館には、コーヒーや軽食のとれる喫茶室「フローラ」があります。なんとカレーだけでも4種類。図書館利用の際の一休みにぴったり。本だけでなく、新聞や雑誌、DVD映画や音楽CDの鑑賞など図書館で一日過ごされる方も珍しくありません。(注:DVD、CDはふじしろ図書館のみのサービスです。)

また、最近は、インターネットの普及により誰でも自分の求める本が容易に探せる時代です。図書館と書店をうまく使い分けながら賢く読書ライフを送っている方が多いと感じています。
 ここで、あまり知られていないサービスを紹介しましょう。図書館の蔵書冊数は取手とふじしろの2館を合わせても約30万冊ありますが、すべての資料要求に応えるには心もとない数字です。
 それでも、もしあなたが図書館で探している本が無くてもあきらめないでください。図書館の収集基準により一定の制限はありますが、、リクエストにより新規に購入したり、また、近隣の図書館や県立図書館とのネットワーク、場合によっては国立国会図書館などからも本を借りられる相互貸借の制度もあります。お気軽にご相談ください。
・・・今回はここまで。図書館を楽しみ、図書館使いの達人になってください。

フローラは障害者が働く喫茶室です。

−フローラは障害者が働く喫茶室です。−

ご利用くださるみなさんに満足していただけるよう頑張っていきます。 「ご来店お待ちしています」

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ふじしろ図書館O

もうひとりの”じぶた”

 本嫌いな弟を心配して、母が自宅を開放して子供に本を読み聞かせてくれる地域文庫に連れて行ったのは弟が2歳のときでした。
 はじめて来た弟のためとにと文庫の先生が読んでくれたのが『しょうぼうじどうしゃじぷた』でした。おとなしくできるかという心配をよそに弟は目を輝かせて聞いていたそうです。そして、その日”じぶた”を借りて以来、文庫に行ってはその本を借り、また返してを繰り返したのです。1年も・・・
 母は本を返すよう説得したようですが、弟は文庫へ行くと「じぷた、じぷた」とつぶやきだし、先生に「また借りたいの?」と聞かれると「うん」とうなずくのです。何度読んでもらっても飽きないようでした。ここまで気に入った本なら買い与えますと言う母に、先生は「これを借りたいからここに来るというのもいいんじゃない?他のお話も聞けるのだから」とおっしゃってくださったそうです。

 よくぞ1年も貸しで下さったと思います。図書館なら延長しても1ヶ月までです。文庫の先生は今も活動されていて、図書館の事業にもご協力いただいているのですが、弟のことは今でも鮮明に覚えているそうです。
私と弟は年が離れているので、弟は当時家族の中で自分だけが”ちび”でいつも置いていかれると感じていたと思います。また、ミニカーで車同士がしゃべっているように遊ぶのが好きでした。それが絵本の世界とつながったのでしょう。もしかしたら”じぷた”は自分自身だと思っていたのかもしれません。先生は母からうちの家族の話を聞いて、それを感じとったのだそうです。
 小さい子供が言葉でうまく表現できない気持ちを絵本がかわりに伝えてくれることがある。だからこそ子供と絵本の出会いが大事なのだとおしゃるのです。
 さて1年後、弟がなぜ本を返したかというと、はじめてのお年玉で本を買ったからなのでした。

”じぷた”の本は弟が大きくなってからも何気なく自分の部屋に飾ったりして大切にしていました。
 つい先日、弟は結婚したのですが、実家に奥さんを連れてきた時に、「これだよ」と”じぷた”見せていました。少し照れくさそうに。
 彼にとっての大切な絵本が、そのうち彼の子供の好きな本になったらいいなと思います。

しょうぼうじどうしゃのじぶた しょうぼうじどうしゃのじぶた
渡辺茂男作
山本忠敬え
福音館書店
取手図書館i